月はいつもそこにある
満月である、財布ふりふり。
満月は人を高揚させる。夜空に輝く球体はいつも女性的なフォルムで、そのやさしいその光を僕達に届けてくれる。その姿は優麗なほど。。。。。
よく考えると月って自分一人では輝かけない。そう、夜であるにも関わらず、彼女のその明るさは太陽の光の反射。陽の光を浴びて輝いている。太陽よりもキラキラと、やわらかく、そして優美に。気づいてないかもしれないけど、だれでも自分が輝いている時には誰かが自分を明るい場所にいざなってくれて、輝かせてくれているのかもしれない。誰でも自分だけで輝けるものではないから。
そして、月はいつも同じ顔だ。春も、夏も、秋も、冬も、朝だって、昼だって、夜だって、いつも同じ顔で私達を眺めている。心のゆらぎを感じさせないそんな月を見ていると。。。
つるつる。。つるつる。。と鰹のいい香りが。。。。
そうか、そうか。。
「月見うどん」
家の外、お店で頂いた初めてのうどんは月見うどんだったと思う。中学生だった僕は初めての外で食べるうどんは立ち食いうどんだったが大いに感激した。しっかりしたかつおだしとつるつるの麺、そして卵のハーモニーは今でも忘れられない。それから10年以上の間、うどんといえばずっと月見うどんを食べていた。
それから約40年、僕も好みも少しは変わったもので、月は黄身だけが好きだ。白身はつゆを濁らせてしまう。そして「卵」などと軽んじられる名称ではなくて「鶏卵」と言われるような濃厚ねっとり濃いい感じの、色はできる限りオレンジにちかい黄身がいい。
慎重に黄身をつぶさないよーにうどんを頂いたあとに、出汁に浮いた黄身だけをつるりといただく。あたたかいうどん出汁を唇に感じながら、喉に少し冷たい感触を残しながら、黄身が喉を通り過ぎて行く。
月見うどんを頂くとのんびりと幸せだったあのことが思い浮かんで、最近はあんまり食べる気にはなれないけど、いつかきっと食べたくなる、そんな穏やかな気持ちのいい日々がやって来ることを楽しみにしています。
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