階級社会なのだ、蕎麦屋のメニュー

日本は階層がなく平均的庶民が多い。。。と言われてきた日本ですが、

最近では日常でフェラーリやランボルギーニを1日の間に2,3台見るようになってきたのを考えるにつけ、そうでもなくなったな〜と想う庶民の私がいます。

しかし、本当は昔から日本は激しい階級社会だったということをご存知でしょうか?
公家、貴族、士農工商、庄屋、家主などなど。。。。いえいえ、そういう話ではありません。もっと厳しい、厳格な階級制度が存在しておりました。

そう、そば屋のメニュー、昔でいえば、お品書きです。

そこは、完全なる封建社会。生まれたその階級から抜け出す事はできない厳しいもの。その順列は、必ずと言っていいほど、左から右のかけて値段の昇順(低いものから高いものへ)に記載されている。

まず、最下層付近の話をしよう。

 ⑨かけ
 ⑧月見
 ⑦きつね|たぬき

この辺は妥当なところ、誰もが納得して受け入れれるとことではないでしょうか。しかし、この「⑨かけ」ですが、何も具が入っていないとことで下級層に転落していますが、一転、そこからツユまで取り上げてしまって、ザルの上に乗せ、サラッと刻み海苔をかけて、カツオの濃いいつけ汁とあわせれば、「ざる蕎麦」、「もり蕎麦」として、素材重視の中流階級まで駆け上がることができる実力を持っています。

この場合は、「そば」ではなくて「蕎麦」でしょうね。しかし、そこはそば格(人なら人格なので)が大きいので、我々の手の届きやすいところにいてくれているんだと思います。ま、そば界の赤髭先生といったところなんではないでしょうか。

そば屋のメニューとは書きましたが、そば屋とうどん屋、現在では明確に別れているお店も増えたものの、どちらも提供するお店が多いのも事実。メニューには「きつね」などの名前は書かれていますが「うどん・そば」どちらでも選択ができるようになっているのも面白い魅力の一つです。とはいえ、メニューによっては、「きつね」→うどん、「たぬき」→そばというように、かなり片足に体重を乗せているメニューが多いように思います。

さて、中流階級に移りましょう。

 ⑥カレー
 ⑤肉
 ④鍋焼き

安定した人気・実力を誇るラインナップですが、なにかしら問題を抱えていて、なかなか上流階級に行けないメンバーでもあります。

⑥カレー(うどん・そば)は専門店もあるほどの大人気、しかしながら、このカレーうどんやそばにはよく小ご飯がついていることでも証明されていますが、主役がうどんやそばでなく、カレーが主役になってしまっているということ。カレーというそれだけで超人気者を中核にすえているだけに「ご飯があれば、うどんやそばじゃなくてもいいんだよ」という。。。かなりそば、うどん側からするとかなりつらい立場の中でのチーム運営だと言うことがわかります。

④鍋焼きに関しては、私は鍋焼きそばというものを見たことがないので相対するのはうどんのみということになるとおもいます。提供しているお店があったらすいません。たくさんの具材とともにグツグツと炊き込んで具材の味と風味を出汁にたっぷりと炊き出すところが評判ではありますが、この製法が逆に鍋マニアからは水炊きなどの二番煎じではないかという噂が囁かれています。本当であれば鍋を頂いた残ったお出しにうどんを入れていただく、これが王道。その工程を無視したインスタントではないのかと。

さて、最後に上流階級になります。

 ③にしん
 ②鴨南蛮
 ①天ぷら

どれも、他のメニューとは一線を一線を解したメニューになります。

③ にしんといえば、京都、にしんそばということになるでしょう。海があるとはいえ、遥か彼方の京都市内で名物となるとは、さすが、その京都の料理法が素晴らしい。しかし、正直。。。「にしん」と思う。ほんとにこのタイミングでしかお目にかからない「にしん・鰊」。昔は「ニシン御殿」が東北にはあったらしいですが、最近は売っているのは見たこともないですからね。今ではマイナーになってしまった食材を使い続けるのも、京都の伝統なのかもしれません。

②鴨南蛮といえば、肉系の代表格になるのではないでしょうか。エセ鴨南蛮といえば、鶏肉で代用しているお店もあるわけですが、正式には「鴨」を材料にしなければなりません。しかも、謎の「南蛮」という名称に仕立て上げないといけません。なかなか和食に出てこないような食材を蕎麦に乗せるとは、やはり昔からアジアの影響を色濃く、受けてきたんだなと思います。南蛮とは「タイ・フィリピン・ジャワ等の南洋諸島!のこと」(wikipediaより)ですから、今流行りのアジアン料理のハシリと言えるんではないでしょうか。

さて、やっと最上位までやってきました。

①は当然、みなさまにもご同意はいただけるとは思うのですが、やはり天ぷらそばです。本来は天ざるということになるのでしょう。ここ一番、その品格には頭を垂れるしかないと言うことになんの疑問もありません。サクサクッ〜と天ぷらを頂いて、さらさらとおそばをいただく相反するものの共演。穴子など豪華な食材と単一の蕎麦のみ、油と素朴な味覚、金色と灰色、海老、豪華と地味、都会と田舎、報奨と罰、罪と罰この相反するものを一緒にいただく。こんなハイブリッドな感覚は、ノーベル文学賞を取られた大江健三郎先生の「燃えあがる緑の木」に通づるところがあるのかもしれません。

どんな世にも、いろいろな階層がありますが、2Dで見ると平面的な階層にみえますが、3Dや4Dで見ればいろいろな価値観が湧いてきます。そうしうような、モノの見方をしたいなぁと考えています。


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