酢味噌の為に生まれてきた
酢味噌はホタルイカの為にあるのかもしれない。いや、逆か、ホタルイカは酢味噌の為に生まれてきたのかもしれない。
これほどマッチしている食材はあるのだろうか。ホタルイカには必ずといっていいほど酢味噌がかかっている、でしょ。このなんとなく頼よんない、茶なのか、紫なのか、紅なのか、となんとも表現し難いこの色のちっさいちっさいイカに、ネトっとした見た目で、甘いのやら辛いのやら酸っぱいやらの微妙な味を醸し出す黄色の酢味噌がかかり、横っちょにひっそり濃い緑色のワカメが身を潜める小鉢を見ると「おっ」と声を上げてしまうような雰囲気を醸し出す。
しかし、このちっさなイカは本当にまっとうな成人なってのかなと心配になります。ホタルイカなんて名前が付いてるんだけど、実は大きなイカの成長期を採っているものだとか言うことはないのかなと。
チリモン *1 →ホタルイカ→ヤリイカ→アオリイカ→ダイオウイカ
なんていうことはないんだろうか。まだ、成長期のものをいただくとなると、なんとなく気持ちがモヤっとする。仔牛だとか、子羊だとか。。。やっぱり大きくなってからいただくほうが真摯的だと思うんですよね。
*1 チリモン:チリメンモンスターの略称。ちりめんじゃこの中に入っているちっさな海産物。チリメンモンスターハンターまでいるぐらいの結構な人気の食材。エビ、タコ、タツノオトシゴまでいるらしい。http://www.chirimon.jp/
では、野菜の中で酢味噌のために生まれてきたものはあるのだろうかと考えると、これまた合いまくる食材があるではないですか。そう「わけぎ」です。皆さん、酢味噌のないわけぎをみたことがありますか〜。私は生きてきたこの半世紀で1度もない。わけぎは必ず酢味噌と一緒。というよりも他の料理で「わけぎ」が出てきた試しがないような気がします。
わけぎはその名前に曰くを持っています。ネギの様な風程をしているくせに、その名前はいっちょ前に「わけぎ」ぎ=木である。自分を大きく見せようとするその自己顕示欲がその名前に現れて、いろいろな野菜に忌み嫌われ、サラダなどに参加させてもらうことがなくなってしまった、というわけではないかと。
こうして、酢味噌以外では姿を見ない「ホタルイカ」と「わけぎ」が寄り添い、肩すり合わせて小鉢の中にいると、紫に黃、そして緑と美しい彩りと素晴らしい料理になったわけです。常に美味しい食材は彩りも美しいと思います。
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