そんなに親しい関係ではなかった

素麺、そうあなただ。最近、頂いた、そうあなた。

いつも、その冷ややかな視線と冷たい態度で私に接する。
そう、あなた。。「素麺」

あなたは昔から今に至っても、お蕎麦屋さんに行くと極端に高貴な存在として扱われてきました。絶対にお腹いっぱいにならない量にもかかわらず、たいていはカツ丼級の価格がついていました。

一体なにがそうさせるのでしょう。

私の幼い頃、家でおふくろが湯がいてくれたそうめんには、色の付いた麺が数本紛れ込んでいることがありました。真っ白な麺の束の中にチラホラ見え隠れする赤や緑の麺が数本。見つけたときはかなりうれしくて、なんとなく特別なもののような気がして、ちょっと横に避けといて、あとで1本づつ大事にそれだけいただくような特別待遇だったと思います。

当時はスーパーなどでは販売されておらず、お歳暮などで木箱に入って送られてくるのが定番だったような気がします。しかも、結構TVCMもやっていたような。。。三輪素麺(奈良)、揖保乃糸(兵庫)、手延素麺(小豆島)。。。兵庫県の地方局サンテレビだったような気もしますが、それでもTVCMといえば宣伝の中でも最高級のコストがかかるものですから、当時の隆盛を感じられるエピソードでもあります。

いつぐらいか忘れましたが、「にゅうめん」という食べ方が現れた時には、「夏」そして「必ず冷たくしていただくもの」という固定観念に囚われていた私の脳みそにガツンと衝撃を与えてくれました。そして、少し暖かさを感じるとともに、親近感が湧いた瞬間でもありました。

しかし、お店で出会うあなたは特に高級そうな出で立ちで現れます。良さげな雰囲気を醸し出した海老、さやえんどう、干し椎茸などを引き連れて、さらにはさくらんぼなんかもトッピングしたりして、飾り立てることで高級感を演出してきた、それはまさに「虚栄心」。

しかし、もともとのあなたの心情は、「素」+「麺」→麺だけという意味ではなかったのですか。その純真な扱われ方に戻って、麺だけで勝負してほしい。麺に全精力を使ってほしい、そう思っておりました。

なかぶ庵
香川県小豆郡小豆島町安田甲1385
https://tabelog.com/kagawa/A3705/A370501/37004649/

そんなときに頂いた「小豆島の生そうめん」は美味しかった。原点回帰、薬味はあるにしても、基本的にはそうめんだけ。まさに”素”麺、しかも「生」。乾燥させてないってことかな?と思ってますが、まさに麺勝負。麺と出汁だけに渾身の力を込めて、焦点に対してブレず、拡散せず、ぼやけず、勝負するその姿勢が素晴らしい。

この秋、また自転車で行ってみようかなと思います。
でも、秋でも素麺あるのかな???


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